つい

少し前に横に座った女の人と喋った。

初対面だけど意気投合し三時間も喋った。

内容は恋愛について。

来年になったら結婚するらしい。

「結婚されてますか?」

思わず

「いいえ」

って答えた。

「指輪しているから結婚しているかと思いました。すいません

 彼氏さんからですか?もしかして婚約指輪ですか?」

「はい。一応彼氏からです。

 でも意味はない指輪です」

そりゃそうだよね。

結婚指輪じゃにないけど薬指に指輪をしていた。

とっさについた嘘が3時間も辛くなるなんて思っていなかった。

来年の結婚の話、旦那さんになる人の話、結婚式の準備の話。

私も一昔前に一通り終わってるんだよね。。。なんて思いながら聞いていた。

嘘つかなきゃ良かったんだろうけど結婚していると思いたくなくて嘘ついた。

軽い現実逃避のはずだったのに。。。

付き合って1年。最近プロポーズされた。もちろん婚約指輪あり。結納もした。

今はドレスの打ち合わせと新居探し、その他諸々。。。

10年前にそんなことしてたな。

この人今が一番幸せなんだろうな。

面倒臭いとか言ってるけど楽しんでいるし、充実してそうだなって印象がある。

旦那さんになる人はすごく優しいらしい。

自分に合わせてくれて一緒に居て楽だと。

これからを夢見ている人にわざわざ地獄に落とすような言葉もかけたく無いし、かけるつもりもなかったから一緒に笑って話を合わせた。

でもこれって私にしたら辛い話であって気にしてしまうような内容なんだよね。

羨ましい反面、聞きたく無いけど聞いてしまう自分がいる。

とことん時間目一杯話に付き合った。

その中でどんな男性が好きかという話になった。

もっぱら彼の話をする。

話をするけどなんだか楽しくないっていうか、言っててつまらないっていうかなんだろう?

好きだけど今まで人に彼の話をしたことがないから違和感があってうまく言えなかった。

今でもその時の言ってる時の気まずい気持ちを思い出す。

つきたかった嘘。

それなのに苦しい思いをした嘘。

今思うと悲しい。

 

”つい”という出来心に重みを感じる。

自分でつきたい嘘をついたんだから今更悩むこともない。

嘘だとしても彼のことを少しでも自分の口で人に話せたのはよかったかな。

ちょっとした思い出かな。

良くも悪くも思い出。

声に出して初めて彼のことが言えただけでも幸せだったな。

それでも次は”つい”じゃなくてポリシー持って嘘つこうかな。