ペアリング

この2週間ずっと待ち続けて実現した。

待ちに待ったペアリング。

 

指輪をねだってから2ヶ月。

現実的な話は2週間前。

具体的な話は4日前。

そして当日。

 

かなりの予算オーバーなはず。

想像していた金額より3倍はあるはず。

 

店舗に行く前は予算的に品物は決まっていた。

きっとこの価格のクラスで選ぶだろうと思っていたから気軽にお店にも入って行った。

でも一応ハイジュエリークラス。

ハイジュエリーの中の最低価格の指輪を購入するつもりでいた。

 

ある意味決まっているものに対して反抗するつもりもなかったから、

おとなしく従ってペアリングをゲットできればいいとしか考えてなかった。

だから指輪のお試しも適当にしていた。

試している最中に「それの方が似合ってるよ。」と言ってくれた。

「でも俺はこっちにするよ。」と元々の安い値段の指輪を選ぼうとしていた。

 

金額のこともあるし、無理は言えないから元々の指輪を勧めようとしていた。

でも彼は、「お前にはこの指輪は似合わないから、その指輪にしたほうがいい。」

そうしているうちに、彼も最初に決めていた指輪より私とペアになるような指輪を選んでくれた。

形は同じ。

カラーが若干違う。

 

最初に言っていた指輪でもなく、予算もかなりオーバーしている指輪を買おうとしている彼に驚いて思わず、

「ねぇ。少し歩いてから考えない?迷ってるでしょ?

 他のお店見てもいいんだよ?」

なんて無理やり口実作ってその場から離れて意思を確認したかった。

どんなつもりで、そんな高額な指輪を買うつもりかということを。

でも彼からの返事は「行かない。ここで決める。」

そう言われてしまった。

まさかそんなに男気ある人だと思ってなかったから、

かなり驚いたし、私自身焦った。

焦りすぎて汗が止まらない。

止める余裕も、考える余地もない。

 

「これください。これにします。」

 

泣きそうになった。

感動した。

言わずとしてももらえる指輪がいいと思っていた自分が情けなくなった。

この先のことも未定なのに、一緒に指輪を選ぶことなんか良いわけじゃないのに。

ましてや高額すぎて苦しいし。

複雑な気持ち。

とっても嬉しいと同時に、とっても悲しくて寂しい。

喜びたいのに喜べない。

いまいちテンション上がらない。

 

会計も済ませて外へ出た。

なんて言っていいかわからず、とりあえず歩く。

夜ご飯を食べてホテルへ行く。

そして指輪の箱を開けることなく寝る。

翌日になっても指輪はまだお預け。

ふらっと観光して帰宅。

 

いつもの2人の場所で、

自分で箱を開けて、

自分ではめる。

特別な言葉もなく普段の口調でサラッとつけて言った言葉は、

「やっぱりその指輪が似合ってるよ。

 俺もこの指輪にしてよかった。」

それ以上の言葉もなく、あっけなく終わった。

 

てっきりハメてくれる。

何か言ってもらえる。

そう思っていた自分がアホらしくなった。

でも言われなくてよかった。

ホッとしている自分もいるけど、なんとなく切ない自分もいる。

 

長かった。

ペアリングまでの道のり。

この数ヶ月ずっと指輪をゲットすることしか考えてなかった。

ずっとペアリングがしたかった。